カタルーニャ音楽堂 Palau de musica catalana |
ガウディだけはなく、バルセロナの街の美しい建築へ貢献した数々のカタルーニャの建築家たち。産業革命で多くの資産家を生み出したバルセロナの街は、19世後半から20世紀初頭にかけて、モデルニスモと呼ばれる芸術運動が花を咲かせました。その芸術運動の名付け親になったといわれている人が、バルセロナでも有名な建築家のルイス•ドメニク•イ•ムンタネール Lluís Domènech i Montaner です。この人の名前は、歴史や芸術に詳しいひとでしたら聞いたことがある人も多いかもしれません。スペイン、特にバルセロナでは特に有名でよく名の知られた人で,街中にたくさんの美しいかれの建築が残されています。
このカタルーニャ音楽堂Palau de Musica Catalana はその彼の代表作のひとつです。1905年から1908年の3年の月日をかけて建設されたこの美しい音楽堂は、当時の市民のための合唱団 l’Orfeó Català のコンサートホールとして、建築家であり政治家でもあったドメニク•イ•ムンタネールに依頼して作られたものでした。
その美しさと言ったら、説明していくのにキリがありません。彼の建築スタイルは、他のモデルニスモ建築のスタイルと同じように、花や彫刻、ステンドグラスやモザイクタイルを使った建築なのですが、彼の手がける装飾はひときわ華やかを放ち、建築を鑑賞する人々に大きな印象を与えるものです。中でもこのカタルーニャ音楽堂は彼の真骨頂ともいえる建築で、そのきらびやかさには息を飲むほどです。
外観、正面入り口のところには、美しい彫刻とカラフルなモザイクタイルに飾られた柱や切符売り場などがコンサートホールの建物を華やかに彩り、まさにモデルニスモスタイルの建築としての存在感を高めています。内側のコンサートに入る前のサロンには、ちょっとしたアペリティフや飲み物をいただけるバーがあり、その木造のカウンターに囲まれたバーの作りも、モデルニスモスタイルで、たくさんの花やモザイクで飾られた天井や柱の装飾と相まってアンティークな空間を作り出しています。
またコンサートホールに上がっていく階段や入り口には、やはりデコラティブな証明が設置されており、そのあたたかな色合いの光が、空間をさらに美しく、やさしい雰囲気に仕上げています。
このホールで最も美しく、名が知られているのは、コンサートホール内の天井にある、太陽をモチーフにしたステンドグラス。そのステンドグラスからは、日中は陽光が射し込み、そのきらびやかでこまやかな美しさを際立たせています。また舞台の壁にも、楽器を奏でる様々な彫刻が施されており、見所がたくさんあります。ただし、この内部のコンサートホールを見るためには、この音楽堂で開催されるコンサートに行くか、あるいは音楽堂内を巡るツアーがあるので、そちらに申し込むのもいいかもしれません。(事前予約が必要なので、時間を確認してくださいね)
このカタルーニャ音楽堂は、1997年にユネスコの世界遺産に登録されました。今現在もコンサートが開催されている音楽堂は、唯一の「世界遺産のコンサートホール」です。
とにかく百聞は一見にしかず。いくら言葉を並べても、この音楽堂の息をのむ美しさは語りきれません。バルセロナにいらっしゃた際には、ぜひこの美しい建物をお見逃しないようにしてください。
バルセロナの中心街カタルーニャ広場から少しきた側にあるライエタナ通りを下って、左側に入ったところにあります。外からはわかりにくいので、地図で場所を確認してくださいね。