ピカソ美術館 Museo Picasso |
ピカソ美術館は、彼の人生の中でも関わりの深い地であるこのバルセロナの街に1963年の3月にオープンしました。スペインのマラガの出身である彼が、バルセロナにきたのは、美術学校の教師をしていた父親の仕事の関係でした。バルセロナに彼がきたのは1895年。当時若干14歳、しかしすでにそのたぐいまれな画家としての才能を持っていた彼は、ここバルセロナの地で若き時代を過ごし、この地で様々な影響を受けたのでした。
この美術館には、3500以上の彼の作品が所蔵されており、そのほとんどが、彼の若木時代に書いた習作や傑作などです。ピカソ自身や、彼の家族が寄贈した、ピカソが日々自分の作品を書くのに行っていたクロッキーや、少年時代に過ごしたマラガの海岸で拾った木に絵をかいたものなど、他ではなかなかみあれないものがあります。有名な作品や、名の知られた作品の多くが、海外の大きな美術館や個人所蔵のコレクションであるので、ここではそういった、ファンファーレがなるような彼の大きな作品の展示数は少ないです。しかしながら、彼の画家や芸術家としてのベースを培ってきた、画家としての軌跡を見ることができる美術館として、とても貴重なものだと思います。
バルセロナでも、古いローマ時代からの歴史のあるゴシック地域と呼ばれる場所にあるこの美術館は、13世紀から14世紀にかけて建てられた、当時の宮殿のような建物5件分がひとつにされて、美術館として形成されています。総面積は、10000平方メートルを超える大きさで、開館当初は、一件分の家の規模だったのが(といっても、大きな、その後買い足されておおきくなていったのでした。最初に美術館とされた部分のたてものは、13世紀のバルセロナの重要人物だった人物の家でした。その後15世紀と18世紀にリフォームがなされた建築ということですが、いわゆる中世の宮殿のような建物だったこの美術館は、今でもその面影を残す中庭と一階の入り口のエントランスと中のスペースがとても印象的です。中はすっかり美術展示のためにリフォームされて、美術館といった雰囲気ですが、路地から美術館に入っていく扉や通路、展示上に向かうまでの回廊や、展示フロアにのぼる階段のある中庭、または荷物を預けるためのロッカールームになっているスペースなどにも、歴史ある建物としての面影があり、見応えがあります。
展示は彼の年代をおって、それぞれの時代の作品が展示されており、ピカソがどのように彼の才能のすべてを、その人生の中で惜しみなく発揮していったかがわかるようになっています。ピカソほど絵画の様々な絵画やアートの表現を持った芸術家はなかなかいませんが、彼がいったいどのように、どういう経緯を経て、それぞれのスタイルを発見し、発展させていったかが、この美術館の展示を見ると理解できると思います。
去年は、ピカソ美術館がオープンしてからちょうど50年目にあたる記念すべき年でした。ですので、今日行ったら、美術館内の企画展示室の一部では、この50年の間にこの美術館で開催されてきたすべての美術展のポスターが集められ、展示されていました。いろいろなアーティストの展示が行われていたことで、美術館としての重要な役割を果たしてきた事を示していると同時に、それぞれのポスターは時代を反映していて、とても興味深かったです。
シーズン中には、入場や切符を買うのに長い列ができますので、事前に入館チケットを購入しておいたほうがいいと思います。チケットはインターネットを通して買うことができますし、またバルセロナの重要な美術館の入場が入場料がお得な販できるセットも売されているので、そちらを買って、ピカソ美術館をはじめ、バルセロナ美術館巡りをするのもいいかもしれませんね。
とにかく、美術やアートが好きな方は、バルセロナにいらしたら、ピカソ美術館は必ずお見逃しなく!
ピカソ美術館 Museo Picasso
C / Moncada 15 - 23, 08003 Barcelona
Tel .93 256 3000
Fax.93 315 0102
http://www.museupicasso.bcn.cat/es/
museopicasso@bcn.cat